だからと言って、前に踏み出せないわけじゃないんです。
身体の悲鳴に素直に反応し、早めに対処をしたおかげで、体調が随分回復してきました。
昨日のような腹痛はほとんどなく、下痢が残っているだけの状態です。
まぁ、この下痢も身体の悲鳴の一部と見ることもできますから油断は禁物ですが…
医者の見立てによると「ウィルス性のものだろう」ということで、大事をとって本日も休みを頂くことに。
少し心配をしておりましたが、腹痛が収まっただけでも気分的には随分と楽です。
というわけで、せっかくの休みですから大学の勉強に時間を使いました。
いま勉強中なのは『発達心理学』。
『発達心理学』というと、子どもの発達について考える学問だと考える人もいると思います。(少なくとも私はそう思っていました。汗)
ですが『発達心理学』は、子どもの発達だけではなく、人の一生、つまり受精してから死ぬまでの生涯について扱っている学問です。(ということを私は勉強して初めて知りました。汗)
ですから、非常に範囲が広いです。
ですから、覚えることも多いです。
ちょっと甘く見ていました。(泣)
ここでは、私にとって衝撃的だったことを少し紹介したいと思います。
ジーニーという少女の話です。
アメリカで、一人の少女が保護されました。
彼女は、生後20ヶ月から13歳半になるまでの間、自宅の小さな部屋に監禁され続けていました。
昼間は便器つきの幼児用椅子に裸でくくりつけられ、夜は寝袋に押し込まれて金網つきのベッドに入れられて…
窓はカーテンで覆われて、テレビもラジオもなく、父親の怒鳴り声以外は言葉も音も聞くことはありません。
食事は母親が時々運んでくるミルクとベビーフードだけ。
空腹で声をあげると父親が怒って、彼女を何度も殴ったそうです。
そんな生活がおよそ12年間…
保護された時は、身長137cm、体重26.7kgで、衰弱がひどく、全身アカまみれの状態…
固形物を食べたことがないので噛み方も知らず、言葉は一言もわからず、自分で話すこともできなかった。
子ども嫌いで異常な精神を持つ父親と、夫に絶対服従だった母親によって社会から隔離された少女。
その少女の名前がジーニーです。
監禁状態から救出されたジーニーは医学的、心理学的な治療が行われて、身体的な訓練と人格の再編成の教育が試みられることになります。
事件の前に「2歳頃から思春期までに適切な刺激にさらされない限り言語機能が十分に発達しない」という学説が発表されていたこともあって、格好の研究対象となりました。
そして、ジーニーは…
保護されて1年かかって、300語くらいの言葉を獲得することができ…
絵を書くことを覚え…
やがて、結婚し…社会復帰します。
ジーニーがどんな思いで12年間を過ごし、その後、どんな思いで訓練を受け、どんな思いで成長をしてきたかは私達には想像もできません。
そして、ジーニーのように虐待されて育った子供がこの世に何人いるのか私達にはわかりません。
もっと酷い虐待をされた子供もいるかもしれないし、誰にも気づかれないうちに亡くなった子供もいるかもしれません。
そんな虐待は決して許さない!
ということを言いたいわけではないんです。
注目したいのは、誰からも愛されずに監禁されてきた一人の少女が、治療と訓練と教育を受け、立派な大人へと成長をとげて、結婚し、社会復帰までできたということです。
もしも彼女が、自分の人生を過去のせいにして、一歩も前に踏み出そうとしなかったらそうはならなかったはずです。
彼女が過去をどのように思っているのかは、私にはわかりません。
忘れらないこともあるでしょう。
許しがたい思いもあるでしょう。
でもだからと言って、前に踏み出せないわけじゃない。
それを、ジーニーが教えてくれた気がしています。
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