言葉の暴力を振るう人に思っていたこと
倒れた人の魂が歌えなかったもの
夢見よう
銃より人を痺れさす
引き金引けなくなる歌のこと
(引用元:初心のうた 音楽之友社)
これは、『初心のうた』に収録されている『とむらいのあとは』という曲の歌詞です。
合唱団での練習で、初めて知った曲です。
初めて知った曲ですが…ちょっと心が震えました。
私の心が震えたのは、
銃より人を痺れさす
引き金引けなくなる歌のこと
という部分。
この『銃』という部分を実際の銃と捉えることもできますが、私は『言葉の暴力』と捉えることも出来ると考えました。
「何だお前!こんなこともできないのかよ!」
「金払ってるんだから、これくらいはやれよ!」
「社会人として当たり前でしょ!」
生きていれば、一人や二人はこんな言葉をぶつけてくる人で出会ったことがあると思います。
例えばそれが、お客さまだったり、上司だったり、先輩だったり、家族だったり…
そういう言葉をうまく避けられたらいいんですけど、まともに受け止めると、そのまま倒れてしまうことだってあります。
人に会うのが怖くて、家を出れなくなることだってあります。
「このままじゃ生きていけない」と思い込んで自ら命を断とうとしたり…
そうやって、多くの人が言葉の銃弾に当たって倒れて行きました。
私もその一人です。
最初は、言葉の暴力を振るう人達を憎みました。
「あんな人達、この世から消えればいいのに!」
「あんな人達こそ、死ねばいい!」
「なんであんな人達が、のうのうと生きていられるんだ!理不尽だ!」
って。
でも、そんな人達にも家族がいたり友達がいたり愛する人がいたりして…
世界中の人から嫌われてるわけでもないんですよね。
だからと言って許せるわけでもないんですけど。
以前に思ったことがあるんです。
言葉の暴力を振るう人達に、暴力を止めさせることはできないものかと。
優しく接してみたり、話を深く聞いてみたり、シタテに出てみたりして、何とか関わり方を変えてもらうことはできないものかと。
うまくいく時もありました。
でも、長くはもたないんです。
落ち着いていたかと思ったら、突然キレだしたするんです。
そしてまた言葉に当って倒れる私。
「あの人達は、何をやってもダメ!ずっとあのまま!絶対変わらない!」
そう諦めていました。
危険な人には近づかない。
近づいてきたら離れるしかない。
言葉の銃を撃ってきたら逃げるしかない。
そう思っていました。
そんな私が
銃より人を痺れさす
引き金引けなくなる歌のこと
という部分に心が震えました。
銃を打つのを止めさせるのではなくて、銃を奪うのでもなくて…
引き金を引けなく歌をうたう。
それは、倒れていった人達が、歌えなかった歌。
それがどんな歌なのか、いまの私にはまだわかりません。
でも…もしそんな歌が歌えたら。
もしかしたら、それは歌うものではなくて、心に響く詩(うた)なのかもしれません。
そんな言葉を紡ぐことができたら。
この世界は、もっと平和になる。
そんなことを、いま思っています。
うつ病に伴う悩みや心配ごとなど、まずは気軽に、ご相談ください。