大人のモノサシに怒っていました。
「決めつけんなや!」
産まれて初めて出た短編映画(?)で初めてのセリフがこれでした。
中学時代、私が通っていた中学校を舞台にした短編映画が作られることになり、何故か音楽部員の全員に対して「オーデションを受けてきなさい!」という指示があり…
オーデションに受かりたくなかった私は、わざとふざけて素行の悪い生徒のフリをしたんです。
それなのにオーデションに受かったと連絡があり…台本をもらったら…
不良生徒B。
それが私の役名でした。(笑)
超がつくほど真面目な生徒なのに…
ちょっとふざけただけなのに…
私が産まれ育った地域では、昔から同和問題がテーマに挙がってました。
私達が住んでいた町にも同和地区と呼ばれる地域があったので。
同和についての授業もありました。
それまでは知らなかったんです。
産まれながらにして差別される人達がいるということを。
「剛士。部落の子と付き合うなよ」
ある日、父にそう言われました。
私達が住んでいた地域で「部落」と言うと、同和地区を指してました。
つまり「同和地区の子と遊ぶな」と父は言うわけです。
私:なんで?(ちょっと怒り気味に)
父:うちはそういう家系と違うから
私:そんなん関係ないやん!
父:お前はまだ子供やから分からん!ええから部落の子を好きになるなよ!
驚きました。
人に騙されたり、約束を破ったり、嘘をついて誤魔化したりする父でしたけど、人の事を悪くいう人間ではないと思っていたのに…差別するなんて…
思春期の少年からは、そんなことを言う大人達が汚れきって見えました。
口では「差別はアカン」なんて言いながら心の中では差別してるなんて。
そんな矛盾は許せませんでした。
まぁ、だからと言って私がその子と付き合うかというとそれは別の話で。
そこに住むほとんどの子が不良生徒でしたから、近寄り難かったんです。
というか、目も合わさない様にしていました。
差別とは違って、防衛反応として。
それでも「付き合うなよ」と言われると怒りが湧いてきたものでした。
そんな地域ということもあってか、映画は同和教育のためのものでした。
撮影が終わった後で知りましたが。
でも、撮影中はそんなことを微塵も感じさせない雰囲気でした。
とにかく、セリフを覚えることと、芝居を乗り切ることに必死でした。
まさか、教材として使われることになるなんて考えもしませんでしたが、親や親戚が観て恥ずかしくないようにしたいと思っていたんです。
不良生徒の役ですけど。 笑
丸坊主で、しっかり制服を着ている不良生徒ですけど。 笑
不良生徒なのに、合唱コンクールの練習にはしっかり出てますけど。 笑
それでも何故か俳優さんに褒められました。
「睨んでくる迫力が凄かったよ」
って。
必死の形相だっただけだと思いますが、嬉しかったのを覚えています。
ちなみに、タイトルは、
『あんたたちのバス』
と言います。
今は亡き『左幸子』さんとも共演したというのがちょっとした自慢です。
あの頃は恥ずかしかったけど…
今も映像を見ると恥ずかしいけど…
その時にしか出来ない体験が出来るというのは、何にも変えられない宝。
そんなことも学べた気がします。
もしも今、同じ様なチャンスが目の前に出てきたら…あの時のように掴み取ることができるだろうか。
そんなことを思っています。
あなたは、いかがですか?
チャンスを掴みにいく方ですか?
背中を押されるのを待つ方ですか?
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