「その人の能力=その人の価値」ではない
「何もできない私には価値がない」
そう思っていました。
「みんなの足を引っ張るだけだ」
そう思っていました。
「私なんて、いない方がいいんだ」
そう思っていました。
会社に入社したばかりの頃は、右も左もわからず、ただ先輩の指示通りにやるしかありませんでした。
指示通りに出来ればいい方です。
指示通りに出来ないことも多くて、「この仕事に向いてないのかもなぁ」と思う時期もありました。
それでも、そんな私を採用してくれる様な会社は他にはないと思っていたので、辞めるということは考えませんでした。
石の上にも3年とは良くいったもので、入社して3年も経つと、いろんなことが出来るようになってきますし、後輩も出来ます。
先輩として、後輩からの質問に答える必要も出てきます。
後輩の指導をする場合もあります。
そして…
いつの間にか、中堅社員と呼ばれるようになるんですよね。
そして「私が頑張らないとダメだ」と会社を背負ってるくらいの気持ちになって張り切っていたのが20代後半の頃でした。
そして…結婚をして…子供が産まれて…夫や父親としても頑張らないと…
そう思うようにもなりました。
それから…いろんなことがあって…
うつ病になり…一度治って…数年後に再発して…
私はもうダメだと思っていました。
病気を繰り返すようになってから、ストレスが高そうな仕事は避ける様になりました。
できるだけ残業もしないようにして定時で帰ることを心がけました。
でも…
そうしてると、会社の方も私に振る仕事がなくなってくるんですよね。
それに、どんなに忙しくても私だけ定時に帰ったり、楽そうな仕事ばかりをしていると「あの人だけズルい!」と言う人も出てきます。
小さな会社だと特に目立つので。
それに、楽な仕事ばかりをしていると、成長も感じられません。
誰でもできるような仕事をしていると、惨めな感じもしました。
「このままではダメだ!」
そう思って、またストレスが高そうな仕事をやるようにしたんです。
もう大丈夫だろうと思って。
結局、また再発してしまいました。
私には、できる仕事がない。
私には、やれる能力がない。
私は、もはや価値のない人間だ。
私は、ただの給料泥棒だ。
私は、会社のお荷物だ。
私は、ここにいてはいけない。
私がいるとみんなに迷惑がかかる。
あの頃の私は、そう思ってました。
辛かった。
肩身が狭かった。
居場所がなかった。
消えてしまいたかった。
今になって、あの頃を振り返ると、「バカだったなぁ〜」って思います。
自分が作った妄想の中で、悩んだり苦しんだりして。
肩身が狭いとか居場所がないとか…
全部妄想なんですよね。
「能力のない私には価値がない」という強い思い込みが産んだ幻想です。
もしあなたが、このような思い込みを持っているなら、いますぐに手放すことをおすすめします。
能力と価値は全く別物ですから。
例えば、まだ何もできない赤ちゃんが「何もできない私には価値がない」と嘆くほどバカバカしいことはない。
例えば、何もできなくなった祖父母が「何もできない私には価値がない」と嘆くほどバカバカしいことはない。
例えば、何もできなくなった友達が「何もできない私には価値がない」と嘆くほどバカバカしいことはない。
きっと、あなたもこう言うはず。
「そんなことで悩む必要はないよ」
って。
「あなたに能力があろうがなかろうが、私とあなたの関係は変わらない」
って。
「能力はあなたの一部でしかない」
って。
「あなたはそのままでいいんだよ」
って。
だから…
あなたもそうなんですよ。
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