うつ病への怖れを手放し、安心を手に入れる

聞いてほしくない話

2018.10.03


・毎日、力も気力もない

・全てにやる気が起きない

・心から楽しむことができない

 

 これって、うつ病でしょうか?

 

 こういう質問をよく聞きます。

 

 不安に思う気持ちもわかりますが…

 

 いつも複雑な気持ちになるんです。


 あらためまして。

 

 うつ病再発予防コーチの中野です。

 

 うつ病予防コーチではありません。

 

 あくまでも、うつ病再発予防コーチです。

 

 と言っても、私も最初はうつ病予防の重要性を訴えていたんです。

 

 でも、だんだんとその難しさを実感したんです。

 

 というのも…

 

 うつ病予防の重要性を認識しているのは、うつ病を経験したことがある人だけで、うつ病を経験したことがない人は、重要性を認識していない。


という当たり前の事実に気づくことができたからなんです。

 

 落ち着いて考えればそうなんです。

 

 うつ病を経験したことがない人は、「自分は絶対にうつ病にならない」と思い込みやすいんです。

 

 だって、なったことがないから。

 

 一方、うつ病を経験したことがある人は「自分もうつ病になりうる」ってわかっているんです。

 

 だって、経験してるから。

 

 だから、経験者の人は自分事として聞くけど、未経験の人は他人事としてしか聞けない。

 

 これは仕方がないことなんです。


 『正常化の偏見』って聞いたことがありますか?

異常な事態に直面していながら、「大したことにはならないに違いない」「自分は大丈夫だろう」と思い込み、危険や脅威を軽視してしまうこと。

引用元:小学館デジタル大辞泉

 

 これによって、災害時に逃げ遅れるとか、避難しようとさえしないことが起きます。

 

 これも、一種の防衛反応とも言えるんです。

 

 例えば、普段生活してる中で、何か意外なことが起きるたびに敏感に反応していると、心が疲れてしまいます。

 

 だから、ある程度のことまでは動じなくても済むように、少し鈍感になるようにできているんです。

 

 これによって、心は疲弊せずに済むわけなんです。

 

 逆に、命は危うくなるわけですが。

 

 とにかく、人の心が持つ機能として「ある程度のことまでは鈍感になる」という力が備わっているわけです。

 

 だから、うつ病になったことがない人が、うつ病を他人事のように感じるのは仕方がないことなんです。


 ところが、未経験の人でも自分事として聞く時があるんです。

 

 それは「私はうつ病じゃないか?」と思う時。

 

 つまり、うつ病の症状のような自覚症状が出てきている時。

 

 「いま何が起こってるんだろう」と思ってたけど、何かを見たり聞いたりしているうちに、うつ病の症状に似ていることに気づき不安になってる時。

 

 正直言って、そこから予防をしようとしても遅いんですよね。

 

 もうすでにうつ病なのかもしれないから。


 というわけで、冒頭の

 

 「これって、うつ病でしょうか?

 

 という質問に戻りますが…

 

 この質問は全く意味がありません。

 

 仮に「うつ病だと思いますよ」って言われたらどうするんでしょう。

 

 薬局店で「うつ病の薬をください」とでも言うつもりでしょうか?

 

 そんなことを言っても買えません。

 

 医者の処方箋がなければ買えませんから。

 

 

 一方で「うつ病じゃありませんよ」と言われたらどうするんでしょう。

 

 「そうか〜。うつ病じゃないんだ」と安心して喜べるでしょうか?

 

 「本当にそうだろうか」と、不安なままじゃないですか?

 

 結局、医者の診断を受けるまでは、不安は解消されないんです。

 

 だから私は言いません。

 

 「うつ病じゃないですか?」とも、「うつ病じゃないですよ」とも。

 

 それは誰のためにもならないから。

 

 だから…お願いです。

 

 「これって、うつ病でしょうか?

 

 なんて、聞かないで下さい。

 

 他でもない、あなた自身のために。



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