私達の命を守ってくれるもの。
自律神経系について、正しいものを1つ選べ。
①交感神経系の活動が亢進すると、気道が収縮する。
②交感神経系の活動が亢進すると、血圧が上昇する。
③副交感神経系の活動が亢進すると、瞳孔が散大する。
④副交感神経系の活動が亢進すると、発汗が減少する。
⑤ストレスが加わると、副交感神経系の活動が亢進する。
(平成30年9月9日実施分の第1回公認心理師試験、問25より)
この問題を初めて見た時に「こんなことまで覚えないといけないの?!」と、何だか嫌な気持ちになりました。
これが心理に、どう関係するの?
こんなの、心理じゃないでしょ?!
って。
でも、今なら分かります。
それに、この問題の答えも。
理屈さえ分かってしまえば、答えを覚える必要なんてありませんから。
前回に引き続き、夏期スクーリングの中で聞いた話を紹介します。
(スクーリングとは、実際に学校に行って、講義を聞くことです)
今回の講義は・・・
『人体の構造と機能および疾病』
公認心理師は、医師や看護師などの保健医療従事者とコミュニケーションをとり、チームとして対象者に適切な対応ができることが期待されます。
そのためには医学、医療の基礎知識を身につ ける必要があるわけで、そのための講義です。
今回は、その中でも『自律神経系』に絞って紹介します。
最初は難しそうだと思いましたが、驚くほど分かりやすく、いろんなことが繋がって分かってきて、楽しささえも感じています。
人間って、よくできていますね。
何も命令しなくても、私たちの命を守るために、いろいろやってくれる。
心臓を動かしたり、血流を増やしたり、瞳孔を開いたり、消化器官を動かしたり、消化液を分泌したり。
これらは、意識して働かそうとしても働きません。
というか、意識して働かないことに意味がある気がします。
時に私達はとんでもないことを考えたりしますから、そんな考えに従っていたら命がいくつあっても足りない。
例えば「死にたい」とか。
もしも、意識して働かすことが出来たら「おい!死にたいから心臓を止めてくれ!」とか言えば、すぐに止まるかもしれません
「死にたい」なんて、一時的な気の迷いなのに。
だから、あえて意識とは切り離し、意識の言うことは聞かずに働くように進化したんじゃないかと思います。
私達の命を守るために。
自律神経系には、交感神経と副交感神経がある。
それは、何となく知っていました。
テレビでもよくやっていますし。
でも、それぞれの働き方までは覚えていません。
何となく、興奮させる方が交感神経で、落ち着かせる方が副交感神経だというくらい。
でも今回の学びで分かりやすかったのは「交感神経は何かと戦おうとする時、または逃げようとする時に働く」ということ。
だから、自然と心臓は高鳴り、血圧が上がって、呼吸は荒くなり、情報を多く取り入れるために瞳孔が開く。
食べたものを消化している余裕などないから、消化の働きを鈍らせる。
一方で「副交感神経は、リラックスした時、または睡眠中に働く」もの。
だから、心臓はゆっくり動き、血圧が下がって、呼吸もゆっくりになり、情報を多く取り入れる必要もないため瞳孔が収縮する。
こういう時に、食べたものを消化してエネルギーを蓄えておきたいから、消化器官の働きを活性化して消化液の分泌も促進させる。
交感神経や副交感神経が何のためにあるのかを考えれば、機能なんか覚えなくても、推測できてしまうんです。
以上の学びを踏まえ、再度、冒頭の問題を見てみましょう。
自律神経系について、正しいものを1つ選べ。
①交感神経系の活動が亢進すると、気道が収縮する。
②交感神経系の活動が亢進すると、血圧が上昇する。
③副交感神経系の活動が亢進すると、瞳孔が散大する。
④副交感神経系の活動が亢進すると、発汗が減少する。
⑤ストレスが加わると、副交感神経系の活動が亢進する。
どうですか?
もう答えが見えてきませんか?
念のために、回答を言うと…
・・・
正解は、②です。
なんか、しっくりきませんか?
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