診断書を書いてもらうということ
あなたは、医者から診断書を書いてもらったことがありますか?
診察を受けるたびに医者が書いてる紙が診断書だと思っていませんか?
診断書なんて書いてもらっても何もならないなんて思っていませんか?
私は思っていました。(笑)
10年以上前、人生で初めて診断書を書いてもらうことになるまでは。
「診断書を書きましょうか?」
初めて医者からそう言われたとき、質問の意味がわかりませんでした。
だから質問したんです。
「診断書というものを書いてもらうとどうなるんですか?」
って。
そして教えてもらいました。
・いわゆるドクターストップ
・会社には、休ませる義務が発生する
・医者が復帰を認めるまで継続する
要するにそういうことでした。
そして、それを私に聞くということは「会社を休みたいと思いますか?」という質問だと思ったんです。
戸惑いました。
こんな状況で休むなんて言えない!
そんな自分勝手は許されない!
そう思っていましたから。
・休んだらダメだ!
・サボったらダメだ!
・甘えてはダメだ!
・逃げてはダメだ!
・自分に負けてはダメだ!
・これ以上迷惑をかけたらダメだ!
そう思っていました。
だから、診断書を書いてもらう勇気なんてなかったんです。
本当は、いますぐ休みたいのに。
すでに、いろんな人に迷惑をかけている今、その責任を取らずして仕事を抜けるなんてことをしたら、皆さんに会わす顔がないと思っていました。
本当は、いますぐ休みたいのに。
・いますぐにでも仕事に戻らねば!
・いますぐにでも信頼を回復せねば!
・いますぐにでも責任を全うせねば!
そう考えていました。
本当は、いますぐ休みたいのに。
そして…頭では「休んでられない」と思いながら、本当は休みたいと思う葛藤に苦しみ…
ただ黙って下を向いていました。
あの頃の私は、独りで悩んでましたが、同じような悩みを持っている方もいるようで…
「診断書をもらったら休むべき?」
「無視して働いても大丈夫?」
「会社に報告すべきだろうか」
という相談を耳にします。
結論から言ってしまえば「どうぞ、ご自由に」ということなんですけど、自由にするということはそれに伴って責任を負うということですから。
専門知識を持つ医師が「休むべき」と判断したのは、休まないと今よりも症状が悪化すると診立てからです。
それを無視して仕事を続け、今より症状が悪化し、仕事はおろか生活にも支障が出たとしたら…その責任をとるだけの覚悟はありますかということ。
また、診断書が出ていたのに、会社が仕事を休ませなかったことがわかると、会社の信用問題に関わります。
もちろん、会社にとっては寝耳に水でしょう。
会社はその事実を知りませんから。
それでも「私達は診断書が出ていることを知りませんでした」と言った所で、世間は信用しないでしょう。
責任逃れの言い訳と思うはずです。
そして、会社の評判が一層下がり…
その責任をとれますかということ。
そういった責任がとれるなら、医師の判断を無視しようが、会社に黙って仕事をしようが自由ということです。
私なら、絶対に勧めませんけど。笑
「では、診断書を書きましょう」
先生のその一言でホッとしました。
あの時の私には決められなかった。
正常な判断ができなかったんです。
いまなら、あの時の私が既に仕事ができる状態ではなかったとわかりますが、あの頃の私は分かってなかった。
そして、無理して仕事をすることが会社に迷惑をかけてしまうことになるという自覚もなかった。
ただ自分のプライドを守りたかっただけということに気づいてなかった。
ただ身体は正直ですから、分かっていたんですね。
「いまは休む時なんだよ」って。
その信号を、私にわかりやすいように送ってくれていたのに、それも無視しようとしていたんです。
あの時、診断書を書いてもらって、本当に良かったと思っています。
書いてもらうべきか戸惑っていた私の様子を見て「じゃぁ書きましょう」と言ってくれた先生にも感謝です。
そして、それを会社に報告した過去の私にも感謝です。
そして、医師と会社の指示を守った私も褒めてあげたいと思います。
ただの自画自賛だと言われても。
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