うつ病と共に歩み、生きる。そして、こだわりをとかす。

何気ない日常の危険な会話

2017.04.25


「人生を輝かせたい」ウツ経験者専門コーチの中野です。

 

 先日、都立中央図書館辺りを歩いていると、前に、幼い男の子とその父親が歩いていたんです。そして、父親がその幼い男の子に何か注意をしていたのが聞こえてきました。

父親:「ダメだって言ったでしょ?」

息子:「少しだけでもダメ?」

父親:「ダメ!ポケットに手を入れたら、絶対ダメ!わかった?!」

私の心の声
確かに…こけると危ない

息子:「帰りだったら、いい?」

私の心の声
なんでやねん。(笑)

父親:「帰りもダメ!ずっとダメ!

私の心の声
まぁ、そうなるやろな~。

息子:「え~、なんで~?」

私の心の声
よっしゃ!大事な質問や!よう聞いとくんやで~

父親:「癖になるから!!

私の心の声
えぇ~っ!そこですか?!

息子:「癖になると、なんでダメ?」

私の心の声
そりゃ、そうなるわな~。ええぞ!坊主!言うたれ!

父親:「癖になると治らなくなるの!わかった?」

私の心の声
いやいや!わからんでしょ!

息子:「わかった~」

私の心の声
絶対わかってないって!!

 

 普通に聞けば、何気ない日常の会話に聞こえるかもですが、言葉が持つ力子供に対する親の影響力を考えるとすごく危険な会話だと思いました。

 

 

 

 ご存知だと思いますが、子供は純粋なんです。

 

 その分、子供には暗示が効きやすいんです。特に、親や先生などの子供に影響力がある人からの暗示に対して。

 

 だから、親や先生達は、特に言葉に気を付けないと、知らないうちに子供に暗示をかけてしまう可能性があるんです。今回の様に。

 

 あの子が暗示にかかったかどうかは分かりません。

 

 暗示がかからなかったかも知れないし、もっと別の暗示がかかったのかも知れません。あくまで想像の範囲ですが、暗示をかける危険性があったのは間違いないと思うわけです。

 

 

 まず、幼かった子供の頃の気持ちになって、先ほどの父親の言葉を読んでみて欲しいんです。

 

1.ポケットに手を入れたら絶対ダメ

なんで?と思うわけです。だから素直に質問するわけですが、何か知らないけど、お父さんは怒ってる感じです。

 そして、私だったらこう思います。

「ダメだ!」と言われたことに対して「なんで?」と聞いたらダメらしい。これ以上、お父さんに怒られたくないから、もう、聞かないようにしよう。そして、ボケットに手を入れないようにしよう。でも、もしもお母さんが、僕のポケットにハンカチを入れたら、どうしよう。どうやって出せばいい?ポケットに何も入れちゃいけないな。

 

2.癖になると治らなくなる

そもそも、癖って何?って思います。でも、聞いたらまた怒られそうだから質問はできません。

 そして、私だったらこう思います。

『癖』っていうのは、治らない病気のようなものかもしれない。怖いな~。お薬も効かないのかなぁ~。嫌だな。もしも『癖』という病気になったら、僕はどうすればいい?死んでしまう?嫌だ!怖い!『癖』という病気には、絶対にならないようしなきゃだめだ。

 

 

 そして、男の子の中に、こんな信念が生まれるかもしれません。

・ポケットには何もいれてはいけない

『癖』とは、とても恐ろしいものだ

 

 

 やがて、小学生になった男の子は、よく物を失くしたり、忘れものをするようになるかもしれません。

 

 小さなものを受け取ると、どこかに置き忘れたり、落として失くしたり。

 

 そして、先生はこう言うかもです。

 

 「大事な物を受け取ったら、すぐにポケットにしまいなさい!

 

 もちろん、男の子はしまいません。だって、ポケットにしまったら、もう出せない。手を入れたらダメだから。

 

 そして、先生はこう言うかもです。

 

 「すぐ片付ける癖をつけなさい!」

 

 こうなるともう、パニックですね。お父さんは「癖はダメ」と言うのに、先生は「癖をつけろ」って言う。

 

 一体、どっちが正しいの?どっちの言うことを聞けばいい?先生も間違うかもしれない。お父さんが帰ったら、先生が間違ってるのか聞いてみよう。

 

 そして、お父さんが帰って来たので相談しようとしたら、お父さんからは「先生の言う事を聞かないらしいな!ダメだろ?!ちゃんと聞きなさい!

 

 そして、男の子は心を閉ざします。誰の事も信用しなくなっていきます。

 

 もちろん、これらは私の妄想です。そんな事は起こって欲しくないです。でも、可能性はゼロではありません。

 

 「どうか、幸せでありますように

 

 そう心の中で祈りました。そして、

 

 「全ての大人が言葉を選ぶように

 

 そう思いながら、その親子を見送りました。

ウツ病を経験した方だからこその悩みや心配事を、わたし自身のウツ病経験を踏まえ、解決のご支援をしてます。

 

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