自殺対策強化月間
【うつ病で悩む人が1人もいない!】そんな世界を目指しています。
うつ病経験者専門コーチの中野です。
3月が『自殺対策強化月間』だったということを、ご存知でしたか?
別に、私が勝手に決めてるわけではないんです。
国を挙げての取り組みなんです。
●3月に対策を強化する理由
残念なことに、自殺で亡くなる方が最も多いのが、3月だとのことです。(厚生労働省の自殺統計を参照)
そして、この状況をなんとかせねばと、自殺に関する特別相談や講演会等を実施しているようです。
「そういうものがある」ということを、頭の片隅に置いといてください。
今すぐは、関係がないかもですが。
●自殺の原因
ところで、自殺の原因として、最も多いのは、何だと思いますか?
よくニュースでは、いじめを苦に…とか、勤務が過酷で…などばっかりが取り上げられてるので、これらが多いのかなぁなんて、思いませんか?
でも、いじめを苦に…等の学校問題は、全体の約2%で、勤務が過酷で…等の勤務問題は、全体の約9%です。(警視庁発表の自殺の状況参照)
そして、一番多いのは健康問題で、全体の約50%。二番目に多いのは、経済・生活問題で、約17%。次が、家庭問題で、約15%らしいのです。(警視庁発表の自殺の状況参照)
但し、警視庁曰く「遺書等の自殺を裏付ける資料により明らかに推定できる原因・動機を3つまで計上することとしたため…」ということですので、一人が、健康問題、経済・生活問題、家庭問題の3つを原因としてる場合もありえるわけです。
●例えば、こんなケース
あくまで、例えばの話ですけども、ある人がウツ病を発症したとします。
そして、治療に専念するために休職をしたとします。もしくは、会社から休職するように言われたとします。
しかし、治療が遅れたため重症で、なかなか治らないまま、会社が決めた最長休職期限を過ぎてしまい、結果的に退職することになったとします。
当然、家計は厳しくなるわけです。そして、家族も不安になります。
「いつまで働かないつもりなの?」と責められることもあるでしょう。
そうして、家族に合わせる顔がなくなり、居場所がなくなっていきます。
「これ以上は生きていたくない!」と自殺を考えるようになり…
このような場合ですと、健康問題と経済・生活問題と家庭問題の3つが、当てはまると思うんですよね。
●普通にあります
このケースって、普通にあります。
というか、家庭を持った会社員が、うつ病で休職したり退職したりすると3つの問題が重なって発生します。
なんとか、復職したり転職したりを考えようとしても、雇う側にすれば、休んでしまうかもしれない人よりは、ちゃんと働き続けてくれる人の方を、雇いたいと思うのが普通です。もし、それでも雇うとしたら、特別なスキルを持っている場合でしょうね。
そして、経済・生活問題に伴って、家庭問題が起きるのも当然の流れ。
もし、家庭問題が起きないのなら、非常に素晴らしい家族に恵まれたか、家族がストレスを溜め込んでるかの、どちらかでしょうね。
●うつ病になりやすい時期でもある
さて、3月は『自殺対策強化月間』だという話でしたが、実はこの時期、うつ病にもなりやすいのです。
うつ病の原因は、ストレスだけではありませんが、原因のひとつではあるわけです。そして、非常にストレスが溜まりやすいのがこの時期なんです。
先日の【心の準備はいいですか?】でもお伝えしましたが、環境が変わることでストレスになるので、人事異動や転勤等、変化が大きいこの時期は、ストレスが大きくなる時期なのです。
つまり、変化が大きいこの時期は、うつ病になりやすい時期なのです。
同じように、秋も変化が大きいので要注意です。
●他人事ではないですよ
ご存知かもしれませんが、うつ病の症状の一つに、希死念慮があります。つまり、死にたいと思うんです。
そして、うつ病になりやすい時期と自殺者が多い時期が重なってるのは、無関係ではないと思っています。
そして、これもご存知でしょうか?
うつ病は、誰でもなる可能性があるということとを。
あなたがなるかもしれません。
あなたの大切な人がなるかも。
そして、大切な人が「死にたい」と言ってくるかもしれないのです。
そんな時、あなたならどうします?
次回は「死にたい」と言われた時の対処について書きます。お楽しみに。
自身の経験を生かして、うつ病を経験した方に対するサポート(悩み相談、トラウマケア、願望実現等)を行っています。