「言われる前に動きなさい!」の矛盾(続きの続き)
【うつ病で悩む人が1人もいない!】そんな世界を目指しています。
うつ病経験者専門コーチの中野です。
前回の続きです。
前回は「なんで〇〇できないの?」という言葉の罠についての話でした。
それが、動けなくなる一つ目の理由でした。今回は二つめの理由です。
今回は「言われる前に動きなさい」という言葉の罠について解説します。
◎人を動けなくする仕掛け~その2~
まず「言われる前に、動きなさい」という命令に対して、選択肢としては2つあります。
1つめは、「はい!」と言って動く。
2つめは、「いいえ」と言って拒否。
1つめの方が好ましいかもしれないですが、実は命令には背いています。
なぜなら「言われる前に」という命令に対して、言われた後に動いてるからです。
2つめは…こうやって言えるなら、苦労はしないでしょうけど…明らかに拒否しているわけですから、背いてるわけです。
つまり「言われる前に」という命令には、どちらも背くことになります。
つまり、命令に従いたいと思っても背くことになるんです。
そして、命令に従いたいという思いが、強ければ強いほど、動けなくなるんです。
これが、二つめの人を動けなくする仕組みです。
(専門用語でダブルバインドと言う)
一つめの理由と同じく、このような状況が続くと、心の病気になりやすいと言われます。
◎もっと早く知りたかった
この罠に気づいたのは最近です。
もっと早くに知っていれば、自分を「ダメ人間だ!」なんて責めなかったかも知れません。
もしもタイムマシンがあるのなら、あの頃の自分に言ってあげたい。
・もしかしたら、天邪鬼なのかな~
⇒いいえ。動けなかっただけだよ。
・自分は、素直じゃないのかも
⇒いいえ。動けなかっただけだよ。
・ひねくれた人間なのかもしれない
⇒いいえ。動けなかっただけだよ。
・人の言うことに耳をかせないのかも
⇒いいえ。動けなかっただけだよ。
・きっと性根が腐っているに違いない
⇒いいえ。動けなかっただけだよ。
そして、あの頃の自分を抱きしめて
「何があっても、君はOKなんだよ」と言ってあげたいです。
◎そして自分で動き出す
そうそう。元々は、娘の話でした。
最初は、娘に言葉の罠をかけそうになっていたんですよね。
言葉の罠をかけられる側の話ばかりをしてきましたが、自分が罠をかける側になろうとは…
それも、罪の意識が全くないまま…
「動いて欲しい」と思いながらも、相手を動けなくさせてるという矛盾に気づかないまま…
危うく、娘をフリーズさせてしまうところでした。
まぁ、自身のことを振り返っていたので、言いそびれただけかもですが。
ちなみに、娘は無事に、自ら病院に行って、書類を医者に書いてもらい、今週から元気に学校に通っています。
これからも、親としていろんな心配をするでしょうね。
それでも、娘に対して『言葉の罠』をかけてしまわないように心がけて、
「何があっても、君はOKなんだよ」と見守ってあげたいと思っています。
自身の経験を生かして、うつ病を経験した方に対するサポート(悩み相談、トラウマケア、願望実現等)を行っています。