うつ病と共に歩み、生きる。そして、こだわりをとかす。

モラトリアムからの卒業

2023.03.18


 ひな祭りを終え、日増しに暖かくなってきましたが、いかがお過ごしですか。

 

 新型コロナウイルス感染症の流行も収まったわけではありませんが、新規感染者の数は随分と減りましたね。(2023年3月17日の東京都における感染者増加数は631人となり、久々に1000人を下回りました。)

 

 厚生労働省も「マスクの着用は、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本」とし「原則着用」としていた態度を緩めています。

 

 とは言え、急にマスクを外すのも怖いので、相変わらず、外出時にはマスクをしているのは私だけでしょうか?

 

 まぁ、これからは花粉症がひどくなる時期ですので、どちらにせよマスクはしておいた方が安全ですよね。

 


 

 さて、今回のタイトルに『モラトリアムからの卒業』と書きましたが……

 

 『モラトリアム』って何のことだか説明できますか?

 

 こう聞かれて、即答できる人は少ないのではないでしょうか?(笑)

 

 たとえ知ってる言葉でも、急に「何のことだか説明しろ」と言われたら、ドギマギしますよね。(笑)

 

 なので、まず『モラトリアム』という言葉について簡単に説明しますね。

 

 『モラトリアム』=本来は経済学用語であり、災害や恐慌などの非常時において、債務の支払を猶予すること、あるいはその猶予期間を意味する。エリクソン(Erikson.E.H.)はこの言葉を青年期の特質を示すために用い、青年期を心理社会的モラトリアムと呼んだ。産業化や情報化の進んだ今日の社会では、身体面での成長を遂げても、それだけでは豊かな社会生活を営むことはできない。心理的、社会的にも成長し、種々の能力を発達させることによって、はじめて一人前の社会人としての役割を果たし、まともな社会生活を送ることができるようになる。そのために、こうした能力がまだ十分に発達していない青年に対しては、社会的な責任や義務がある程度猶予されているのである。(引用元:心理学辞典/中島義明,安藤清志,子安増生,坂野雄二,繁桝算男,立花政夫,箱田裕司 編/有斐閣/1999/1/25)

 

 と、辞書の定義としては、難しく書かれていますが…

 

 要するに『社会的な責任や義務がある程度猶予されている期間』のこと。

 

 分かりやすい例を挙げると、例えば、大学生を思い浮かべてください。

 

 一般的に、大学生でいる間は、社会的な責任や義務が免除されます。例えば、働かなくても文句は言われませんし、納税しなくても文句は言われません。(但し、アルバイトなどである一定の収入を超える場合は、源泉徴収で税金を持っていかれます。笑)年金の保険料だって免除されます。

 

 ところが、大学を卒業した後は、いつまでも働かないでいると「いつまでフラフラしてるんだ!」と文句を言われたり、納税してない(世間にバレると)と、世間から白い目で見られます。

 

 つまり、普通は、働かないでいたり、納税してなかったりすると、周りからプレッシャーがかかるのですが、大学生でいる間は「まだ学生だから」という理由だけで、何も言われず、周りから許されるわけです。

 

 つまり、年齢的には社会人でも、学生の間は、社会人としての責任を追求されなくて済むわけです。

 

 その代わり、その学生の間に、社会人として責任を果たせる人間となる様に成長されることが期待されるわけです。

 

 ちょっと乱暴な説明になりましたが、これが一般社会で肯定されている『モラトリアム』の例です。

 


 

 一方で、一般社会で肯定されていない『モラトリアム』もあります。

 

 いわゆる、ニートだったり、引きこもりだったり…

 

 学生と違って、周りから許されているわけでなく、周りからプレッシャーがかけられる状態。

 

 本人が好きでやってならいいんですけど、やりたくてやってるわけじゃない場合は辛いですよね。本人も「このままじゃダメだ。何とかしなきゃ!」と思っていてもうまくいかないのに、周りから「いつまでそんな状態でいるつもり?」とか聞かれて…

 

 「分かってるよ!うるさいなぁ!」と言ったり、グッと堪えたり…

 

 いろんな事情がありますよね。

 

 働きたくても、働けない。

 

 それは、身体的な問題の場合もあるでしょう。心理的な問題の場合もあるでしょう。社会的な問題の場合もあるでしょう。

 

 自分だけですぐに解決できる問題ならとっくに解決してますよね。

 

 今残っているのは、自分だけではすぐには解決できない問題ばかり。

 

 そんな時に「いつまでそんな状態でいるつもり?」とか聞かれても、答えられませんよね。好きでやってるわけじゃないですから。

 

 まぁ「いつまでそんな状態でいるつもり?」と聞いてる側も、心配だから言ってるだけで、悪気がある訳じゃないんですけどね。汗

 

 そんな状態を解消できる良い方法があるんです。

 

 それは…

 

 『学生になる』ということ。

 

 学生になってしまえば、周りも「学生だったら仕方ないかぁ」と思うはず。

 

 『学生になる』といっても、別に学校に通わなくてもいいんです。(まあ、通うだけの財力があるなら止めませんけど笑)

 

 自称『学生』でいいんです。お住まいの地域の図書館に通って、読んでみたいと思う本をいろいろ読んでみるんです。

 

 本を読んで学ぶわけですから『学生』というのは嘘ではない訳です。

 

 別に最初から難しい本を読む必要もないんです。漫画でもいいし、映画でもいいし、図書館にあるもので観たいと思うものから始めればいいんです。

 

 そのうちに、その中に何か問題を解決するヒントが見つかる可能性だってあります。

 

 良かったら、試してみてくださいね。

 


 

 さて、実は今日(3月18日)は、娘達の卒業式でした。

 

 はれて今日、娘達は大学を卒業しました。

 

 つまり、一般社会で肯定されている『モラトリアム』を卒業したわけです。

 

 これからは、社会的な責任や義務を背負って生きていく人生が始まるわけですが…

 

 今日は、あまり細かいことは言わず、無事に卒業できたことを祝いたいと思います。笑

 


 

 ところで、私も、やっと卒業することができました。

 

 40代後半から通信制の大学に通い始めて早4年。

 

 私は、一足早く、先週に卒業式を迎えました。

 

 まぁ、通信制の大学ですし、50過ぎのおっさんですから、わざわざ卒業式には参加しませんでしたけど。笑

 

 これで私も『モラトリアム』を卒業です。笑

 

 色々真剣に考えないとですね。笑

 

 まぁ、ボチボチやりますわ。

 

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