人の未来を変える言葉
先生が、自身の過去の出来事を打ち明けてくれました。
そこには、人と人とが関わる上で、とても大事なヒントがありました。
そして、先生が打ち明けてくれた話というのが…
「高校生の時、友達が1人もいなかったんです。そのことを母が心配して担任の先生に相談に行ったんです。」
「そうしたら、担任の先生は…」
NHKの『100分de名著』って番組をご存知ですか?
一人で読むと挫折してしまいそうな難しい本を、アニメーションや紙芝居などを交えながら、学者の先生が解説をしてくれる番組です。
25分の番組が、4回に渡って放送されるので合計100分ということ。
題名だけは知っているという本や、初めて知る本もありますが、毎回勉強になるので、毎回録画して観てます。
ちょっと観るのが追いついていない状況ではありますが。汗
というわけで、今回観たのは去年の11月に放送された分。
番組で取り上げた名著は、三木清の『人生ノート』でした。
恥ずかしながら、三木清のことを何も知らない状態で番組を観ました。
そして、哲学者ならではの視点で、死や幸福、怒りや嫉妬、成功や孤独について、独自の解説をしてくれている本だと言うことを知りました。
そして、この本は戦争に向かう国民に向けて「本当にそれでいいのか?」と立ち止まって考える知恵を与えようとしていたということ。
軍部からの検閲をかいくぐるために遠回しに表現せざるを得ず、そのために本の内容が難解になってしまったということ。
そうまでして私達に伝えたいという思いはどこから来るのか。
それが、愛なのかもしれない。
私はそう思っています。
番組MCの伊集院光さんも、いい味を出しています。
毎回、その道の専門家が、分かりやすく説明はしてくれますが、それでも「ん?今のどういうこと?」と疑問に思う時があります。
そんな時に、すかさず「今のところ私には分からないです。もうちょっと教えてもらえますか?」とコメントを入れてくる。
そして、伊集院さんが若い時に悩んだ話なんかも織り交ぜてくれたりして「なるほどなぁ〜そういうことかぁ」と関心させられます。
だから、全部の番組を録画してまで観たくなるんです。
たとえ追いついていなくても。
今回の番組で、三木清の人生ノートについて解説してくれたのは、哲学者の岸見一郎先生でした。
そして、第3回目の孤独をテーマにした回で、岸見先生が高校生だった時の話をしてくれたんです。
そして、息子に友達が1人もいないことを心配した母親に、担任の先生が言った言葉というのが
「そうしたら、担任の先生は『岸見君は、友達を必要としない人だ。』と言ってくれたんです。」
「みんなと一緒にいることよりも、一人でいられることに価値を見出してくださっていたんです。」
これを聞いて、少し泣きました。
「このままでは駄目かもしれない」と不安に思っていた人にとって、これほど支えになることはありません。
単に「そのままでいいんだよ」って言うのではなく「そのままでいることに価値があるんだよ」と言った担任の先生に感謝をします。
先生のその一言が、岸見少年の未来を明るく照らしたのでしょうから。
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