うつ病と共に歩み、生きる。そして、こだわりをとかす。

人の未来を変える言葉

2019.09.05


 うつ病再発予防コーチの中野です。

 

 

 先生が、自身の過去の出来事を打ち明けてくれました。

 

 

 そこには、人と人とが関わる上で、とても大事なヒントがありました。

 

 

 そして、先生が打ち明けてくれた話というのが…

 

 

 「高校生の時、友達が1人もいなかったんです。そのことを母が心配して担任の先生に相談に行ったんです。」

 

 

 「そうしたら、担任の先生は…」

 


 

 NHKの『100分de名著』って番組をご存知ですか?

 

 

 一人で読むと挫折してしまいそうな難しい本を、アニメーションや紙芝居などを交えながら、学者の先生が解説をしてくれる番組です。

 

 

 25分の番組が、4回に渡って放送されるので合計100分ということ。

 

 

 題名だけは知っているという本や、初めて知る本もありますが、毎回勉強になるので、毎回録画して観てます。

 

 

 ちょっと観るのが追いついていない状況ではありますが。汗

 

 

 というわけで、今回観たのは去年の11月に放送された分。

 

 

 番組で取り上げた名著は、三木清の『人生ノート』でした。

 


 

 恥ずかしながら、三木清のことを何も知らない状態で番組を観ました。

 

 

 そして、哲学者ならではの視点で、死や幸福、怒りや嫉妬、成功や孤独について、独自の解説をしてくれている本だと言うことを知りました。

 

 

 そして、この本は戦争に向かう国民に向けて「本当にそれでいいのか?」と立ち止まって考える知恵を与えようとしていたということ。

 

 

 軍部からの検閲をかいくぐるために遠回しに表現せざるを得ず、そのために本の内容が難解になってしまったということ。

 

 

 そうまでして私達に伝えたいという思いはどこから来るのか。

 

 

 それが、愛なのかもしれない。

 

 

 私はそう思っています。

 


 

 番組MCの伊集院光さんも、いい味を出しています。

 

 

 毎回、その道の専門家が、分かりやすく説明はしてくれますが、それでも「ん?今のどういうこと?」と疑問に思う時があります。

 

 

 そんな時に、すかさず「今のところ私には分からないです。もうちょっと教えてもらえますか?」とコメントを入れてくる。

 

 

 そして、伊集院さんが若い時に悩んだ話なんかも織り交ぜてくれたりして「なるほどなぁ〜そういうことかぁ」と関心させられます。

 

 

 だから、全部の番組を録画してまで観たくなるんです。

 

 

 たとえ追いついていなくても。

 


 

 今回の番組で、三木清の人生ノートについて解説してくれたのは、哲学者の岸見一郎先生でした。

 

 

 そして、第3回目の孤独をテーマにした回で、岸見先生が高校生だった時の話をしてくれたんです。

 

 

 そして、息子に友達が1人もいないことを心配した母親に、担任の先生が言った言葉というのが

 

 

 「そうしたら、担任の先生は『岸見君は、友達を必要としない人だ。』と言ってくれたんです。」

 

 

 「みんなと一緒にいることよりも、一人でいられることに価値を見出してくださっていたんです。」

 

 

 これを聞いて、少し泣きました。

 

 

 「このままでは駄目かもしれない」と不安に思っていた人にとって、これほど支えになることはありません。

 

 

 単に「そのままでいいんだよ」って言うのではなく「そのままでいることに価値があるんだよ」と言った担任の先生に感謝をします。

 

 

 先生のその一言が、岸見少年の未来を明るく照らしたのでしょうから。

 

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