正常なのか異常なのか
「え?そうじゃないと病気なの?」
「だったら私も病気じゃないか!」
「というか全員病気じゃないの?」
「健康な人は存在するんですか?」
『精神的に健康な人間の共通概念』を聞いて、そんなことを思いました。
前回に引き続き、夏期スクーリングの中で聞いた話を紹介します。
(スクーリングとは、実際に学校に行って、講義を聞くことです)
今回も、臨床心理学概論。
臨床心理学に関する基本的な知識を理解し、心理臨床の場で実際に生じる問題について理解する講義です。
今回は、その中でも『正常と異常』に絞って紹介します。
心の病には様々な種類があります。
代表的なものだけでも、統合失調症や躁うつ病(双極性障害)、うつ病、パニック障害、強迫性障害、発達障害などなど。
それらのどれに該当するのかを診断することで、それに適した治療をするわけですが…実は、心理面をみるだけでは駄目なんです。
病気の原因には、家族や職場などの社会面、遺伝や脳などの生物面のこともみないといけないんです。
そうじゃないと治らないから。
私が心の病にかかった時は、心理面のことしか考えていませんでした。
病気になったのは、自分の心が弱いからであって、それを別の何かのせいにしても仕方がないし、何の解決にもならない。
そう思っていました。
仕事が大変なのは私だけではない。
身体に不調があるのもみんな同じ。
そんな中で、私だけが心の病になるということは、私が弱い証拠だ。
そう思っていました。
だから、出来るだけ早く病気を治して、出来るだけ早くみんなと同じ様に仕事ができるように頑張りました。
でも…結局、何度も病気になった。
自分の弱さばかり目がいって、他の原因については考えてなかったから。
心は、いろんなものの影響を受けるものだということに気づいてなかったんです。
例えば、社会面に原因がある場合、その問題を解決しない限り、どれだけ治療しても治らないんですよね。
例えば、身体面に原因がある場合、その問題を解決しない限り、どれだけ治療しても治らないんですよね。
もしも、社会面にも身体面にも心理面にも原因があるなら、それぞれ解決しない限り、治らないものなんです。
そして、精神的な健康を維持したいと思うなら、社会面も身体面も心理面も気をつけないといけないんです。
だから…
精神的な健康を維持するのは、大変なんです。
『精神的に健康な人間の共通概念』の話ですが、以下を説明されました。
1.自分の生活を意識的にコントロールできる
2.自分が誰であり、自分は何かについてよく知っている
3.現在にしっかり結びついて生きている
4.静かで安定した人生より、挑戦と興奮を伴う人生、新しい目標や新しい経験に立ち向かう人生を歩もうとする
これらが全てYESなら、精神的に健康だと言えるそうです。
・・・
ちょっと厳しくないですか?笑
1は、YESだと言えるとしても、2はちょっと難しい。ちょっと哲学的な質問ですよね。「私は誰で、何か」なんて。
3なんて、どうなっていたらそうだと言えるのかわかりません。
4に至っては…安定思考の人は全員病気だということになりますよね。笑
これらに全てYESだと言える人がいたら、会ってみたいものです。
・・・
やっぱり会いたくありません。
多分、嫉妬するだろうから。笑
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