マニュアルは必要だけど…
「三三七拍子は、何拍子ですか?」
奇妙なことばかり聞く先生でした。
「三三七拍子は三三七拍子やろ?」
そう心の中では思いながら…
わざわざ質問するということは、何か意味があるはずだとも思い…
でも…私にはわかりませんでした。
前回に引き続き、夏期スクーリングの中で聞いた話を紹介します。
(スクーリングとは、実際に学校に行って、講義を聞くことです)
今回の内容は、1日目の5限目。
『援助』についての講義でした。
と言っても、音楽の話。
『歌うように弾くーより良い援助のためにー』
というタイトルの講義でした。
「日本語の歌はモーラ単位に音符を付けて作曲されている部分がある。
しかし、歌う時にはシラブルなのでシラブル単位に伴奏する方が良い。
ざっくりと言うとそういう話でしたが…
これだけを聞いて理解できる人は、高度な音楽教育を受けた方かと。
私は、そのような教育を受けてないので、次の質問も意味がわかりませんでした。
「1番と2番は、同じ様に伴奏するべきですか?」
・・・
細かい説明は省略しますが…先生が言いたかったことは「必ずしも楽譜の通りに弾くのが正解ではなく、言葉と一致させることが重要なんだ」ということ。
「楽譜は大事だが、楽譜通りに伴奏してはダメなんだ。」
そんな想いが伝わってきましたが…
最初は、わからなかったんです。
公認心理師を目指す上で、この講義を聞くことにどんな意味があるのか。
でも、一つ思ったことがあります。
私達は決められた通りにすることで安心を得たりしませんか?
例えば、受験、就職、結婚、妊娠、子育て、思春期の子供の対応、終活…
さまざまなノウハウ本があります。
そういうノウハウ本を手にすることで「その通りにすれば何とかなる」という安心を手に入れようとする。
それ自体は悪いことではない。
でも、そのノウハウは、誰にとっても成功するノウハウではなく、一例に過ぎないということ。
ある人は、そのノウハウを知ることで成功を収めたかもしれない。
でもそれは完全ではない。
自分には合わないかもしれない。
だから、うまくいかない時もある。
そんな時に「言う通りにしたのに、ダメだったじゃないか!どうしてくれるんだ!」ってそのノウハウ本に責任を押し付けても何もならない。
自分の人生なんだから、誰かのせいにしても仕方がない。
その通りにやることを自らが選んだことを受け止めるしかない。
「それも人生の一部なんだ」と受け止めるしかない。
そして、別の方法を選ぶしかない。
誰かのせいにしてる暇なんてない。
過ぎた時間は帰ってこないから。
最後に先生は教えてくれました。
「『楽譜』というと音楽の話に限定されるけど『楽譜』を『マニュアル』と読み替えて見て欲しい。そうすればどんな職種においても、どの様な場面においても言える大事な話になる。」
つまり、マニュアル通りではダメだということ。
その場、その時に応じて、何が最適なのかを判断する力が求められる。
マニュアルは必要だけど、あくまでも一例にしか過ぎないんだから。
とても大事なことを教えてもらった気がしています。
さて「三三七拍子は、何拍子?」という質問の話ですが…
その答えは…四拍子。だそうです。
日本の歌は、俳句や短歌も含めて、四拍子ばかりだそうです。
その理由について「日本は農耕民族だからだ」という説もあるそうですが詳しいことは分かってないそうです。
・・・
とにかく、突拍子もない質問が多い講義でした。
拍子の話だけに。苦笑
おあとがよろしいようで。
うつ病に伴う悩みや心配ごとなど、まずは気軽に、ご相談ください。