自分は何が欲しいのか…
「お父ちゃんは、何が欲しいの?」
まだ娘達が小学校の頃、こんな質問をされたことがあります。
今にして思えば、元気がなさそうな私を、少しでも元気づけようと思って言ってくれたのかもしれません。
欲しいものがわかれば、それに近いものをプレゼントしてくれようとしたのもかもしれません。
でも、私はこう答えました。
「欲しいものなんて何もないよ」
少し驚いた、そして少し悲しそうな顔をしていた娘を今も覚えています。
うつ病だった頃の私には、欲しい物なんてありませんでした。
別に、欲しいものを諦めているわけでもないし、満たされているわけでもありません。
ただ「何かを欲しい」と思う感覚がなかっただけなんです。
何かを見て美しいと思うことも。
何かを聞いて楽しいと思うことも。
何か食べて美味しいと思うことも。
あの頃の私には、それが普通。
だから、本当に何もいらなかった。
満たされていたわけじゃないけど。
何かを欲しいと思えるということは幸せなことなんです。
そりゃ、何かを欲しいと思うことは不幸を感じるキッカケにもなりえる。
それが手に入らない悲しみを感じることもあるでしょう。
いますぐには手に入らない歯がゆさを感じることもあるでしょう。
それでも、何も感じないよりは幸せなんです。
手に入れたら嬉しいと感じることができるんですから。
欲を捨てれば幸せになれるとか言うけど、欲をたくさん持っている人なら少しでも捨てることで楽になったり、心の余裕が産まれたりするかも。
でも、欲がない人には捨てられないし、その状態が幸せだとは思えない。
少なくとも私は幸せではなかった。
というか、幸せというものを感じることができなかった。
私は適度の欲は必要だと思います。
そして、自分が何を欲しいと思っているのかを分かっておくことも大事なことだと思うんです。
時に私達は、本当は欲しかったものを犠牲にして、本当は欲しいと思っていないものを追いかけたりするから。
意外に私達は、自分は何が欲しいのかを分かっていなかったりします。
今は亡きスティーブ・ジョブズも、こんなことを言っています。
人は形にして見せてもらうまで、自分は何が欲しいのかわからないものだ。
引用元:スティーブ・ジョブズ全発言
本当は何が欲しいのかわからない時は、いろんなものを見てみるといい。
いろんなものに触れてみるといい。
いろんなことを聞いてみるといい。
その中で、自分の中でいいと思えるものかどうかを感じればいいんです。
感じることができるのであれば。
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