人生の転機になったかもしれない一泊の旅行
あなたは、傷心旅行に行ったことがありますか?
一人になって、傷ついた心を癒やす旅です。
とにかく、普段の生活から離れて、少し遠い所に行きたい!
そんな感じです。
私は20代半ばの頃に行きました。
当時付き合っていた彼女に振られ。
本当は、振られた瞬間に叫びたいと思っていたんです。
なんでやねん!!
って。
でも、当時の私は強がっていて…
別れ話を切り出された時も、冷静でいました。
彼女が別れたいなら、未練がましくごちゃごちゃ言わず、さらっと別れる方が男らしいと思っていました。
「何とかやり直そうよ」なんて言うのは情けないと思っていました。
そして「別れても俺は平気だよ!」という顔をして、冷静に別れました。
でも…
何か心に穴が空いたような…
何か虚しい感じがしたんです。
当然、仕事にも身が入りません。
…どこか遠くへ行きたいなぁ…
そう思って、旅に出ました。
いまのようにスマホがあるわけでもないので、旅のガイド本を見ながら、宿泊先を探して…
できるだけ遠くに行きたいと思っていましたが、調べて見ると、交通費や宿泊費が結構かかることがわかり…
でも、20代半ばの若者が、大金を持っているわけもなく…
結局、静岡県の西伊豆にしました。
西伊豆は海が静かで、人もそれほど多くなく、温泉もあるということで。
当時住んでいた西船橋から各駅電車やバスを乗り継いで。約6時間。
何をするわけでもなく、何を考えるわけでもなく、ぼ〜っとしながら移動していました。
そう言えば、その時、たまたま隣の席にいたおばさんが「ミカンどうぞ」とくれたんです。
最初はとまどいました。
昔から「知らない人から物を貰ってはいけない」と教わっていましたから(笑)
でも、ありがたく頂きました。
そして・・・
「お兄さん、一人?」
「えぇ…まぁ…」
「一人旅かぁ〜どこまで行くの?」
「…西伊豆の方まで…」
「何かするの?ダイビングとか?」
「いえ…別に…」
いま振り返れば、せっかくミカンをくれたのに、そっけない会話だったと思います。(苦笑)
でも、あの時の私にとっては、あれが精一杯だったんですよね。
おばさんも、空気を読んだようで、それ以上は聞いてきませんでした。
そして、宿に到着。
旅行のシーズンは過ぎていたので、客はほとんどいませんでした。
そんな中、たった一人で来た私。
今思えば、宿の方も心配をしていたんだろうと思います。
私が、ちょっと出かけるたびに…
「どちらまで、お出かけですか?」
と声をかけてくれました。
そりゃあ、暗い顔をした一人客が、虚ろな目をして、ふらっと出かけたら心配になりますよね。
自殺するんじゃないだろうか?
って。
まぁ、当時の私は自殺まで考えてたわけではないんですが…
生きていたいとも思ってなかった。
無理に死ぬつもりはないけど、別に死んでもかまわないと思ってました。
でも、こうやって声をかけてもらうと、私みたいな人間を心配してくれる人がいるんだなぁ~と、少しうれしくなったりして。
なんとなくですが、少し満たされたような感じがして、翌日帰りました。
また、6時間かけて。
いまでもふと思い出します。
滞在時間は短かったけど、思い出に残る一人旅でした。
まぁ、西伊豆の人からすれば、心配させるだけさせて帰っていく、ただの迷惑な客だったかもしれませんが。笑
でも、そのおかげで心が癒されて、数年後、また新たな出会いに恵まれ、結婚して子供が産まれたわけですから人生ってわからないものですね。
あのとき、ふらっと死んでいたらと思うと、ぞっとします。
ところで…
もし、傷心旅行に行くとしたら…
あなただったら、どこに行きたいと思いますか?
そして、どんな行き方をしますか?
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