心身症などの病気になりやすい時期とは
前回に引き続き、公認心理士になるために勉強した内容を共有します。
心理学に興味がある方、公認心理師になるための勉強に興味がある方に、読んで頂ければ幸いです。
『グラフィック心理学』
北尾倫彦/中島実/井上毅/石王敦子=共著 サイエンス社発行1997年
を読んでの抜粋
第7章 発達
─心の働きの成長/変化─
人間の乳児は生理的早産である。
そう言ったのはボルトマンでした。
ボルトマンによると、生後1年間は子宮外胎児期にあるそうです。
例えば、4ヶ月以前の乳児は、目の前のおもちゃが布で隠されて見えなくなっても探すということをしません。
ピアジェによると「これは、対象の永続性がまだ成立していないためだ」とされています。
(対象の永続性=対象が、目の前から移動したり隠されたりしても、対象はずっと存在しているという信念)
なおピアジェは、認知の発達段階を感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期に区分しています。
子供にとって遊ぶ経験は重要です。
一人遊びから徐々に仲間との遊びに入り、並行遊び優位から連合遊び優位になるのは4,5歳頃になります。
(並行遊び:他児のそばで同じようなおもちゃで遊んだり、おもちゃの貸し借りや会話はするが、他児が去っても無関心でいる)
(連合遊び:子ども同士が同じ一つの遊びをし、おもちゃの貸し借りやその遊びに関する会話が行われる)
やがて成長し、青年期を迎えます。
エリクソンは、この青年期を「同一性形成のために社会的な義務や責任を猶予されている時期だ」と言います。
そしてエリクソンは、成人期初期の課題として「親密性対孤立」、中年期は「生産性対停滞」をあげています。
中年期は、過去の人生を振り返り、これからの生き方を見定める時期。
・生き方や人生観は良かったのか
・職業や配偶者についての疑問
・昔の夢と現実を比べて迷いが出る
さらに未来の人生を志向する時も、何かにつけて以前ほど自由ではなく、いろいろな制約のもとで社会や自己の役割の変化に適応していく必要もあります。
このため、様々な不安から、心身症などの病気になったり自己を見つめることから逃避することもあります。
(いわゆる「中年の危機」です)
まとめはここまでです。
個人的には、中年期に関する記述に一番関心を持ちました。
これまで、人生については論語の「三十にして立つ。四十にして惑わず」くらいしかイメージがなかった私。
だから、30代になってもうだつの上がらない自分に焦ったり…うつ病を発症した自分の弱さを呪ったり…再発した自分を恥じたり…
40代になっても迷ってばかりいる自分に焦ったり…またもうつ病を再発したことに愕然としたり…
1年間休職して…会社を辞めて…
無職で1年以上過ごして…
私だけ何をやっているんだろう…
そんなことも思っていました。
でも教科書が「中年期って、みんなそんなものだよ。病気になる人も多いんだよ」って教えてくれた気がして…
なんだかホッとしました。
そして思いました。
みんなは、知っているんだろうか。
中年期は、過去の人生を振り返り、これからの人生を考える時期でもあるから、疑問、葛藤、不安、悩みが溢れて、心を壊しやすい時期だということを。
私は、もっと早く知りたかった。
もっと早く知っていれば、必要以上に自分を責めることもなかったかも。
そんなことを思いながら、教科書を閉じました。
第0章から第7章まで、8回に分けて紹介した『グラフィック心理学』。
如何でしたか?
心理学を初めて学ぶ人のための本で
・図や表を多くし、文章を少なくした
・現代心理学の基本を重視した内容
ということでしたが、私にとっては、勉強になることばかりで…
いかに自分が、心理学の基本を勉強して来なかったかがわかります。
基本中の基本となる本を読んだだけで勉強になったことが沢山あることを考えると、この先が思いやられます。
でも、逆に考えると…
これからどんな勉強ができるのかが楽しみでもあります。
きっと、今回以上の驚きがあるはずです。
それを、どこまで噛み砕いて話せるかわかりませんけど、私ができる範囲で、またご紹介できればと思います。
その時は…また読んで下さいね。
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