プレゼント
買い物から帰る車の中で、妻が言いました。
「これからずっと続けるつもり?」
と。
「うん。そのつもりやけど」と私。
「え~っ…マジか…」と妻。
今までずっと続けてきたことだし、今後もずっと続けていくつもりであることを、彼女は理解してくれていると思っていた。
だから「今更、何を確認しているのだろう」と内心思っていた。
私の気持ちは伝わってなかったのだろうか…
先日、妻と娘達は揃って、誕生日を迎えました。
妻の年齢は内緒にしておきますが、娘達は20歳を迎えました。
晴れて、堂々とお酒を飲める年齢になったわけです。
さて、誕生日プレゼントに何を送ろうか。
私は悩みました。
何しろ、20歳の誕生日プレゼントですから、記念に残る様なものにしたいので。
今までとは違う何か。
お酒を送るという案も浮かびましたが、それだと残らないから嫌でした。
送られる人の気持ちになって考えるというのは、なかなか難しいものです。
相手の気持ちになったつもりでも、それはあくまでも自分の中にある相手像でしかありません。
本当にこれは、送られる人が思っていることだろうか。
これで、本当に相手は喜んでくれるだろうか。
答えなんかありません。
100点なんてありません。
何が100点なのかわかりません。
でも、だからと言って、諦めるわけにもいきません。
100点にはならないかもしれないけど、少しでも100点に近づける様なものが贈れたら。
それで、少しでも相手が喜んでくれたら。
もしかしたら、相手を喜ばせるというよりも、相手が喜んでいる顔を見て満足するという自己満足に過ぎないのかもしれない。
それでもいい。
「これが私からのプレゼントです」と胸を張って言えるものなら。
これまで、妻と娘達へのプレゼントは、アクセサリー系が多かったような気がしています。
アクセサリーなら、女性なら誰でも喜ぶだろうという考えだった気がしています。
でも、今年は今までと違った物を…
「おぉ!!そうだ!!」
閃いて、私が買ったものは。
アクセサリーボックス。
アクセサリーをしまうボックスを、欲しがっていた様な気がしました。
それに、妻のアクセサリーボックスは、以前から壊れかけていたのを気にしていました。
「よし!これなら大丈夫!」
そして、誕生日の日に3人に同じ物を渡しました。
「えぇ!!本当に欲しいと思ってたの!買いに行こうかと思っていたの!」
どうやら、喜んでくれたようです。
無事、危機を乗り越えました。笑
今日、車で買ってきたものは、梅酒の材料です。
梅を2Kg、氷砂糖を2Kg、35度のホワイトリカーを3.6L。
ご存じの方はご存じでしょうけど、我が家では毎年梅酒を作っています。
ちょうど、娘達が生まれた時期が、梅が成る頃ということで、娘達の成長と合わせて、毎年梅酒を作って貯めています。
娘達は、今年20歳になったので、梅酒も20年分になります。
そして、これは、娘が結婚する時に「君と一緒に育ってきた梅酒だよ」と言って渡すのが、私の夢なんです。
この話は、以前から妻にも娘達にも話していたですけど、何故か急に妻が「これからずっと続けるつもり?」と聞いてきたのが不思議でなりません。
もしかしたら、私の気持ちを試したということなんでしょうかね。
というわけで、今年も梅酒を仕込みました。
娘達が嫁ぐその日まで続けるつもりです。
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