心理職の職業倫理 第1原則について
今、とても重く受け止めている言葉があります。
それが『相手を見捨てない』という言葉です。
言葉だけを見れば「それは大事だ」と多くの人が言うと思いますが…
まさに『言うは易し、行うは難し』だと思っています。
『相手を見捨てない』と言い切るのは、かなり勇気のいることですから。
過去に、人を見捨てた経験がある私にとっては特に。
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「過去にイジメられた経験がある」という方は多いと思います。
私もそうです。何年もイジメにあいました。
小学校の時の話ですけど。
今にしてみれば、ただ力の強い子が力も気持ちも弱い私を攻撃することで周りに力を見せつけようとしただけのような気がしますが…
あの頃の私は「いつか絶対に仕返しをしてやる!」と心に決めてました。
今では、顔も名前も思い出せませんけど。(苦笑)
やがて中学に入って、いろんな子がいろんな小学校から集まってくる様になって、かつてのガキ大将的だった子は大人しくなっていきました。
周りの小学校には、もっとヤンチャな子がいたので…
そして、小さく弱かった私は、一気に身長が伸び、力も強くなりました。
そのせいか、ほとんどイジメもなくなりました。
でも…
たまたま中学から友達になった子がいて…家にも何度か遊びに来て貰ったりしましたが…
その子がイジメられ始めたんです。
でも…
私は、ただ黙って見ていました。
「やめたれよ!可哀想やろが!」
なんて言えませんでした。
それどころか…
私は、その子と距離を置く様になりました。
そして、口もきかなくなりました。
私は、彼を見捨てたんです。
はっきり言って怖かった。
一緒にイジメられるのが。
・・・
あれから三十年以上が経ちますが、あの時の罪悪感は消えていません。
仮に「あの時は仕方なかったんだ」なんて納得しようとしても、過去に人を見捨てた事実は変わりません。
私は人を見捨てる人間なんです。
「いいえ。私は人を見捨てません」なんて言おうとしたら、心のどこかで「嘘つけ!お前、見捨てたやんけ!」って声がするんです。
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何故、急にこんな話を始めたのかと言うと、いま公認心理師になることを目指して勉強しているからです。
そして『公認心理師の職責』という科目の中で『心理職の職業倫理』の話(心の健康の専門家としての倫理観)が出てきたんですが、その第1原則に『相手を傷つけない。傷つけるような恐れのあることをしない』と記載されていたんです。
別に、その言葉だけなら、重く考える必要もなくて「それは当然でしょ」って思っていたんですけど…
そこの補足説明として、こう書いてあったんです。
相手を見捨てない。同僚が非論理的に行動した場合に、その同僚の行動を改めさせる、など。
(引用元『公認心理師の職責』/野島一彦編/遠見書房/2018/P 49/表1職業倫理の7原則)
愕然としました。
今の私には到底無理だ!って。
第1原則からつまづいていたら仕方がありませんが…
まぁ、第2原則以降にもつまづきがあるんですけど…
それも話出すと長くなるので、今回は第1原則だけにさせて頂きます。
とにかく、今は「公認心理師への道はかなり厳しい」という気持ちでいっぱいです。
だからと言って、諦めるつもりではありません。
公認心理師にならなかったとしても、いずれは向き合わなければいけないテーマですから。
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